首や肩がつらいとき、首や肩だけを動かせばいい?
〜目を動かして、身体の変化を感じてみましょう〜
パソコンやスマートフォンを長時間使用していると、首や肩が凝ったり、身体が硬くなったりすることはありませんか?
これまで、パソコン作業による姿勢への影響や、身体への負担を減らすための環境づくりについてご紹介してきました。
今回は少し視点を変えて、「身体の動かし方」についてお話しします。
首や肩がつらいとき、皆さんはどうしていますか?
首を回したり、肩をストレッチしたり、硬くなった筋肉をマッサージしたりしていませんか?
もちろん、それらも一つの方法です。
しかし、実は首や肩を直接動かさなくても、首の動きやすさが変わることがあります。
今回は「目」を使った簡単な運動をご紹介します。
運動する前と後で、ご自身の身体にどのような変化が起こるか、ぜひ体験してみてください。
① まずは首の動きを確認しましょう
運動を始める前に、現在の首の動きを確認してみましょう。
椅子に座り、背筋を楽に伸ばしてください。運動に慣れている方は立って行っても構いません。
次の3つの動きを、ゆっくり行ってみましょう。
1. 前後の動き(屈曲・伸展)
ゆっくり下を向き、次に上を向いてみましょう。
【写真①:首の前屈・後屈】
2. 左右に倒す動き(側屈)
顔を正面に向けたまま、耳を肩に近づけるように首を左右に倒します。
【写真②:首の左右側屈】
3. 左右に振り向く動き(回旋)
身体は正面に向けたまま、首をゆっくり左右に回してみましょう。
【写真③:首の左右回旋】

【写真①:首の前屈・後屈】 【写真②:首の左右側屈】 【写真③:首の左右回旋】
ここで確認してほしいのは、次の3つです。
どの方向が動かしにくいですか?
左右で動きやすさに違いがありますか?
痛みやつっぱり感はありますか?
この感覚を覚えておいてください。
※痛みを我慢して動かしたり、無理に可動域を広げたりしないでください。
② 眼球運動に挑戦してみましょう!
それでは、今回のメインとなる眼球運動です。
ポイントは、頭を動かさず、目だけを動かすこと。
最初は椅子に座り、顔を正面に向けて行いましょう。慣れてきた方は立って行っても構いません。
1. 左右の眼球運動
顔を正面に向けたまま、目だけをゆっくり右・左へ動かします。
【写真④:左右の眼球運動】
2. 上下の眼球運動
頭を動かさず、目だけをゆっくり上・下へ動かします。
【写真⑤:上下の眼球運動】
3. 斜めの眼球運動
目を右上から左下へ、次に左上から右下へ、ゆっくり動かします。
【写真⑥:斜めの眼球運動】

【写真④:左右の眼球運動】 【写真⑤:上下の眼球運動】 【写真⑥:斜めの眼球運動】
運動の回数とポイント
左右・上下・斜め、それぞれ10往復を1セットの目安にします。
初めての方は少ない回数から始めても構いません。
目を速く動かす必要はありません。
頭をなるべく動かさず、目だけを動かすことを意識してください。
途中で疲れたら休憩しましょう。
最初はうまくできなくても大丈夫です。
目だけを動かすのが難しい方は、左右に出した親指などを目標にして、視線をゆっくり移動させてみてください。
目の痛み、めまい、吐き気などが出た場合は、すぐに中止してください。
③ 目を固定して、頭を動かしてみましょう!
先ほどは、頭を動かさずに目だけを動かしました。
今度は反対に、目線を一点に固定したまま、頭をゆっくり動かす運動を行ってみましょう。
まずは椅子に座り、顔の正面に親指を立てて、腕を楽に伸ばします。
親指の先を見つめたまま、次の動きを行います。
1. 頭を左右に動かす
親指から目を離さずに、頭をゆっくり左右に振ります。
【写真⑦:目線を固定したまま頭を左右に動かす】
2. 頭を上下に動かす
同じように親指を見つめながら、頭をゆっくり上下に動かします。
【写真⑧:目線を固定したまま頭を上下に動かす】
3. 頭を左右に倒す(側屈)
親指の先を見つめたまま、頭をゆっくり左右に倒します。
右耳を右肩に、左耳を左肩に近づけるイメージです。
このとき、目線は親指に固定したまま、頭だけを動かすことを意識しましょう。
肩をすくめたり、身体を一緒に傾けたりせず、無理のない範囲で行ってください。
【写真⑨:目線を固定したまま頭を左右に倒す】


【写真⑦:目線を固定したまま頭を左右に動かす】 【写真⑧:目線を固定したまま頭を上下に動かす】

【写真⑨:目線を固定したまま頭を左右に倒す】
運動のポイント
親指を見続けられる程度の、ゆっくりした速さで行いましょう。
最初は左右・上下それぞれ3〜5往復程度から始め、慣れてきたら10往復を目安にします。
頭を大きく動かす必要はありません。
めまいや吐き気、首の痛みなどが出た場合は中止してください。
目と頭の動きを組み合わせることで、普段あまり意識しない身体の働きを体験できます。
④ もう一度、首の動きを確認してみましょう
それでは、最初に行った首の動きを、もう一度確認してみましょう。
前後・左右・回旋の3つの動きです。
いかがでしょうか?
首の動かしやすさや、痛み・つっぱり感に変化はありましたか?
私が普段行っている施術でも、眼球運動の後に首の可動域が広がったり、痛みが軽減したりする方がいます。
もちろん、すべての方に同じ変化が起こるわけではありません。
変化を感じられなかった方は、疲れや不快感がなければ、休憩を挟みながら追加で2〜3セット試す方法もあります。ただし、回数を増やせば必ず改善するわけではありませんので、無理に繰り返す必要はありません。
🔸なぜ目の運動で首の動きが変わることがあるのでしょうか?
私たちは普段、周囲を見るときに、目だけでなく頭や首も協調させながら動かしています。
例えば、横から声をかけられたとき、目を向けてから頭を動かすことがありますよね。
このように、目と首の動きは脳や神経系を通じて密接に関係しています。
眼球運動によって、首の動かし方や身体の感覚に変化が生じる可能性があります。
ただし、眼球運動が首の痛みを改善する仕組みや効果については、まだ十分に明らかになっていない部分もあります。
そのため、今回の運動は治療の代わりではなく、ご自身の身体の動きに関心を持つための一つの方法として試していただければと思います。
最後に 〜自分の身体の変化に気づくこと〜
私が日頃の施術や運動指導で大切にしていることの一つが、「自分の身体を感じること」です。
普段、私たちは痛みや不調が出て初めて身体に意識を向けることが多いのではないでしょうか。
しかし、痛みだけでなく、動きやすさや左右の違いなど、小さな変化に気づくことも大切です。
今回の眼球運動で変化を感じられた方も、感じられなかった方も、ぜひ普段からご自身の身体に目を向けてみてください。
無理なく、少しずつ。
身体を動かすことだけでなく、身体の動きを感じることも、健康づくりの第一歩です。
北海道カイロプラクティックセンター
院長 吉橋ひでのり
※この運動は一般的な健康情報として紹介しています。強い首の痛み、急な症状、手足のしびれや脱力などがある方は、自己判断で運動を続けず、医療機関にご相談ください。

